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しかし、「秩序の維持」とまではいえないとしても、スマホやAIの発達により、音楽の趣味さえ「個別最適化」される現代において、子どもたちが学校の中で共通の音楽を歌ったり楽器を演奏したりする中で「ハーモニー」を作り上げることに対し、何か別の意味や価値が付与されうるとも考えられるのではないか。
平成のはじめ、1989年から90年にかけて「イカ天」と呼ばれるテレビ番組があった。「平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国」というバンドコンテスト番組で、たま、ブランキー・ジェット・シティ、BEGINなどが巣立ったことで知られる。
石川啄木と宮沢賢治を輩出し、柳田國男が書きとめた『遠野物語』の故郷でもある岩手県。賢治がイーハトーブと呼んだ地は、今なお物語が息づく文学の国である。
台所をめぐる物語は、なぜこんなに読まれるのだろう――。朝日新聞デジタルマガジン「&」で編集長を務めていた頃、折に触れて感じた思いが、『ふたたび歩き出すとき 東京の台所』(大平一枝著、毎日新聞出版・1870円)を手にしてよみがえった。
「トランプ2・0」の激動に、地球を何周もする勢いで飛び交うニュースや陰謀論――。国際政治学者の藤原帰一さんは2011年から朝日新聞夕刊に連載コラム「時事小言」を寄せる。ただ、国際情勢と日本の行く末を論じるその藤原さんでさえ、21世紀は ...
立岩は「素朴で壮大な問い」(岸政彦)に愚直に向き合ったが、「分配する最小国家」などの議論には困難もあったと稲葉振一郎。理論家としての仕事は支持者も含め「理解されてこなかったところ」(小泉義之)があるという。
『詩の構造についての覚え書 ぼくの《詩作品入門(イニシアシオン)》』 入沢康夫著 ちくま学芸文庫 1210円 『ブロッコリー・レボリューション』 岡田利規著 新潮文庫 649円 『河を渡って木立の中へ』 ヘミングウェイ著 高見浩訳 ...
「地理」には地名や産業を丸暗記させられたりするイメージがあるかもしれませんが、本来日常生活や社会と深く結びついているものです。そして現在、私たちの身近な「地理」にはデジタル技術が深く関わっています。スマホで毎日使うデジタル地図を筆頭 ...
街とその不確かな壁〈上〉(村上春樹、新潮文庫)#真相をお話しします(結城真一郎、新潮文庫)街とその不確かな壁 〈下〉(村上春樹、新潮文庫)一次元の挿し木(松下龍之介、宝島社文庫) ...
時間がいくらあっても足りない、そんな悩みを抱えている人は多いのでは? ブックデザイナー井上新八さん『時間のデザイン』は、そんな悩みへのヒントがたくさん詰まった一冊。質の高い仕事を続けながら、趣味もしっかり楽しむ時間の使い方を聞きました。
上村裕香(ゆたか)さんは、デビュー作「救われてんじゃねえよ」(新潮社)で、悲劇的に描かれがちなヤングケアラーの物語に抵抗した。描きたかったのは、母の介護で生じた「笑い」だった。
「のほほんとしていたら、生き残れませんよ」という今の風潮にうながされ、自分たちは「打ち勝つ力をもつ能動的な存在」と思えるよう訓練されてしまっている。新自由主義は、1980年代のサッチャリズムに代表される規制緩和政策として注目されるよ ...